もともとはドイツ語なのですが
英語でも日本語でも固有名詞のように使われていますので
ヨーロッパが舞台の諜報関係やスパイ映画をお好きな方は
覚えておいて損はない単語です。


先にその単語を紹介しますと

「Stasi」…「シュタージ」…「(東ドイツの)秘密警察、国家保安省」


最近、鑑賞していた作品の中ではこの作品に登場(↓)




作品内容はネタバレしない程度に
その「Stasi」が出てくるところまでをざっくりと説明しましょうか。
読みたくない方は飛ばしてください(笑)

(ちょっとした途中までのあらすじ)

   リーアム・ニーソンLiam Neeson)演じるアメリカの植物学者が
   国際会議のためドイツへ。

   ところが、ホテルへチェックインする前に交通事故で入院。
   こん睡状態から目を覚ますと、自分を取り巻く周辺が一変していた。

   さらに自分自身も一体、誰なのか訳が分からず…

で、病院で出会ったナースに紹介して貰うのが、
人を調べるプロ、
つまり、東ドイツ時代に
Stasiで勤めていた人物。



↑の映画『アンノウン』(Unknown)はこのぐらいにして
以前の記事でちょっと書きましたけど諜報関係ですと
ざっくりと対外と対内対象で機関が異なり
アメリカならCIAFBI、イギリスならMI6MI5が代表的。

他に映画で目にするのはイスラエルでしょうか、
モサドシャバックは耳すると思いますが
各国、さらに軍隊や警察などもそれぞれ情報局を。


東ドイツはもちろん、対外に特化する諜報機関もあったでしょうが
「Stasi」が国外(まぁ、西ドイツが主ですが)活動も行っていたのは
陸続き(というか隣国)というのと活動範囲もあったのでしょう。

そもそも、東西に分断されるまでは一つの国で
敗戦までのナチス政権時代は
これまた今でも名を知られたゲシュタポという秘密警察が
(後の東西の範囲以上の)ドイツ国内を監視状態だったわけです。

しかも実績、経験があり、その知識、方法などノウハウは実証済み。

それをある程度、踏襲する部分も間違いなくあったでしょうが
戦前は戦前、戦後は戦後でその機関名の名を
ドイツ人はおろか、世界中に轟かすわけですから
考えてみれば恐ろしいものです。

映画で多少でもその辺の事情がお分かり頂けそうなのは
ドイツ映画になりますが


アカデミー外国映画賞を獲得したことで
当時、話題になりましたからご覧になったことも多いであろう
『善き人のためのソナタ』、英題は『The Lives of Others』

「Stasi」に勤務する局員とその監視先のお話。

さらに時代を進め、ベルリンの壁崩壊の直前と直後を
扱い、コメディの要素を入れたのが(↓)


『グッバイ、レーニン!』(Good Bye Lenin!)
これも当時、話題になった作品。

「Stasi」の監視下にある生活を送る東ドイツの家族に
焦点を当て、
ベルリンの壁崩壊直前に昏睡状態に…
ってこれでは最初の映画作品と…(笑)

冗談はともかく、ベルリンの壁が崩壊し東西が統一、
自由主義国側になったことを知らない人物が
その昏睡から目覚める。

昏睡前はバリバリの社会主義者だったので
今現在のドイツの自由な姿を見てショックを受けないよう
周囲は大慌て、の内容。

私のブログは英語関係なので少し書きますと、
もし、
これらのドイツ映画を観る場合、
字幕が選べれば英語で観ることをお勧めします。

ドイツ語を勉強されている方以外は日本語字幕で良さそうですが
そこを英語字幕。他の記事でも書きましたけど。

邦画の名作を音声は日本語で英語字幕だと
簡単なフレーズを瞬間的に和英訳する練習になりますが
英語圏以外の作品は音声が頼りになりませんので
字幕を一瞬で出来るだけ素早く把握する練習に。


なぜなら意味が分からないと、
ストーリー展開が分からなく可能性があるからです(笑)



敗戦国・日本とドイツ 戦後70年でなぜ差がついたのか



画像は作家でドイツ在住である
クライン孝子さんの著作ですが
「Stasi」に関したこととして、情報局に関することを
彼女がお話されているのを思い出しました。

現在はドイツなので諜報局で有名なのでは
BND(連邦情報局になると思うのですが
クライン孝子さんが興味深いお話をされている動画を観たことが。

ドイツは敗戦により、この場合、西ドイツですが
政府の中央機関は戦前の首都であるベルリン以外に
置かざるおえない時代が何十年。

ところが、東西が統一したことにより
ベルリンへ移転する機関がいくつもあり、その中にBNDも。

その工事の様子をクライン孝子さんがたびたび観ていたそうですが
移転前の建物の窓にいたるまで位置、数など
全く同じ建物構造でベルリンへ新たに建設していたそうです。

私達も会社や学校で、新設や移転がありうるでしょうが
建物や内部構造は前とは違っているでしょう、おそらく。
建物が大きくなっているとか、フロアー数が多いとか。

新しいということは使い方を覚える、とうことですよね。
つまり、慣れるまで時間が必要。


しかし、BNDは移転前と移転後で建物が新しくなっただけで全く同じ。
即座に移転前と同じ機能を運営するためとも言えるのでしょう。
一般人と違い慣れる時間はありません。

そういうことから全く同じ建物なのでしょうが
窓の数や位置とかそこまで…と
その徹底ぶりに驚きました、そのお話から。